教員に指示されなければ動けない子どもではなく、
自分で感じ、考え、自分なりに表現できる子どもに育ってほしい。その思いから、臼井幼稚園では、独自のカリキュラムとして「リズム・バリエーション」と「クリエイティブ・ムーブメント」を、毎月、全学年で行っています。

クリエイティブ・ムーブメントは、先生が投げかけるテーマに沿って、身体を使って自由に表現する活動です。

教員が動きを見せて、「同じようにやってみましょう」と

教える活動ではありません。
子どもたちが何を感じ、どのような動きを生み出すのかを待ちます。

同じテーマであっても、表現は一人ひとり違います。
大きく身体を動かす子もいれば、小さな指先の動きで表す子もいます。友達の表現に刺激を受け、新しい動きを思いつくこともあります。年間を通してさまざまなテーマに取り組み、一つのテーマをひと月の中で数回行います。

初めは恥ずかしそうにしていたり、周りの様子を見ていたりする子もいます。すぐに動き出すことや動き出せることだけが参加ではありません。見ている時間も、考えている時間も、その子にとって大切な過程です。

この活動には、決められた動きも、正解もありません。
そのため、「上手・下手」や「できる・できない」で評価することもありません。

教員に求められるのは、答えを教えることではなく、子どもの小さな動きや発想を見逃さず、次の表現へとつながる言葉を投げかけることです。子どもを動かすのではなく、子どもが自ら動きたくなる場をつくる。そこには、教員の観察力と、子どもの表現を信じて待つ力が必要です。

自分で感じ、自分で考え、自分なりの方法で表す。
クリエイティブ・ムーブメントは、身体を動かすことを通して、子どもたちの「心の自由」を育てる活動です。

 


5月のクリエイティブムーブメント【ひっつきむし】

遊び方1.グループの中からひとりずつ順番に出てきて、好きなように、好きなところにくっついていく遊び。
遊び方2.グループで何を作るか相談してから順番に出てきてくっつきながら形を作る。完成した形を見て、他のグループの子ども達が何の形か当てる遊び。例えば、飛行機など。

リトミックとの違い

音楽に合わせて身体を動かす活動として、広く知られているものに「リトミック」があります。本来のリトミックは、音楽を身体で感じ、リズムやテンポ、強弱、音の変化などを、動きを通して理解していく音楽教育です。

臼井幼稚園が行っているクリエイティブ・ムーブメントやリズム・バリエーションは、それとは目的が異なります。活動の中心にあるのは、音楽に正しく反応することではなく、子ども自身が感じ、考え、身体を使って自分なりの表現を生み出すことです。

教員が動きを見せて、同じように動かせるのでもありません。
音の変化を合図にして、子どもの動きを一斉に切り替えさせるのでもありません。

教員は、なるべく言葉を少なく、少なく!子どもたちが自分で考えられるように待ちます。

その問いに、子どもたちは身体の部位、空間、姿勢で表現していきます。

そこには正解はありません。
同じテーマでも、考えること、選ぶ動き、表現の仕方は一人ひとり異なります。

また、自分の表現だけで完結するものでもありません。
遊び方によっては友達の動きを見て考えを変えたり、互いの考えを受け入れたり、話し合いながら一つの形を作ることもあります。

クリエイティブ・ムーブメントで育てたいのは、

自分で動き出す力、
自分のイメージを表現する力、
異なる考えを受け入れる力、
友達とともに新しいものを生み出す力です。

教員に指示されなければ動けない子どもではなく、自分の中にあるものを信じて、一歩を踏み出せる子どもへ。

それが、臼井幼稚園がクリエイティブ・ムーブメントを続けている理由です。