子どもの造形表現活動は、いわゆる作品を作ることが目的の活動ではないと考えています。
幼児が成長に向かうために、必要だから、子ども自ら造形遊びに夢中になるのです。
子どもにとっての遊びは、子どもの生活そのものと言われます。
ですから子どもにとって、造形遊びは、すなわち生活そのものであると言ってもいいのです。
幼児期にこそ発揮され、十分に磨かれるべき感性や獲得されていくべき能力を保障していくために、
「何をするか」よりも「どうするか」の部分を重要視し、
子どもにとって意味のある活動となるよう援助しています。
<造形遊び>
ダンボールや色々な素材を使って思う存分遊ぶ。
時に失敗をしながら、成功体験に導かれ、失敗と成功を繰り返すことで
子どもは自分に必要な技術を身につけることができるのです。
<描画>
臼井幼稚園では年間、たくさんの絵を描きます。
年少で10枚前後、年中で15枚前後、年長で20枚前後、
四つ切りの紙を使用します。
年少では材料(ローラーや刷毛、筆、コンテ、絵の具、クレパス、クレヨン等など)に
初めて触れ、その材料をを持つ行為に親しみ、楽しむ。
そして年齢に相応しい「テーマ」を選び、子ども達が自分の思いを絵に描いていく。
上手な絵を描くことが大切なのではなく、子どもが絵を通じて自分の思いを表現することが大切です。
4月当初、クラス全員で協力して壁面製作を行ないます。
年少の子ども達にはぬたくりが単純に楽しい活動になります。
年中、年長ではグループによる協力が活動の肝になります。
2学期、3学期も壁面を新しくします。
1学期間をかけてバージョンアップしていきます。できることが増えて、
年少でもかなり集中して行なっています。
年中、年長になるとより細かい作業を子ども自ら求めます。セロテープを使わないことや
平面的なものに限らず、立体的なものを作るように。
子ども達は「テーマ」も自分達で相談しながら決めるようになります。
<絵手紙>
「絵手紙」は造形活動というくくりには入らないと言っていいでしょう。
絵を描いて子ども達が担任に思いを伝えます。
描画活動と同じく、子どもの思いを拾い上げるのが目的です。
担任との信頼関係が きちっとできていないと、子ども達は自分の思いを絵にも表してくれません。
テーマを伝え、できた子どもから教師に、その絵について話してくれます。
絵手紙ファイルは持ち帰りますので、絵についてご家庭で話し合って下さい。